第7章 ゆっくりと・・・
「ねぇ柊。話があるんだけど・・・」
朝、学校に向かう電車で1番に話をしようと声をかけてみた。
「今日の放課後、時間作れる?」
「あぁ、いいよ。俺の家くる?」
「あっ・・・えっと・・・////」
また家に?
つまりそういう事だよね?
けどまだちゃんと話してからじゃないと・・・
考えてる事が顔に出てたのか、柊がクスっと笑った。
「心配しなくても大丈夫だよ。それに今日は親がいるし、やましい事出来ないでしょ?」
「う・・・別にそんな事考えてたわけじゃっ!////」
「はいはい、顔真っ赤だよ(笑)」
「なっ////」
気を使ってくれてるのだろう。
大事にされてるなって感じる。
「お邪魔します。」
「はーい、綾斗くん!久しぶりね!どうぞ!」
相変わらず人の良さそうな方だ。
柊に付いて行き部屋に入る。
その後にすぐ柊のお母さんが飲み物を持ってきてくれた。
「じゃあ、話しようか。」
「うん。まずは、今までごめん!拒否しちゃったりして・・・キスとか・・・でもね、本当は柊としたいんだ。キスも・・・それ以上の事も////」
「・・・気にしてないよ。」
「・・・嘘つかなくていいよ。僕ね、たぶん、ドキドキしすぎて勝手に体が動いてたんだと思う。こんなに人を好きになった事ないから。大好きだから、毎回胸が爆発しそうになるんだ。」
「そうだったのか・・・ごめん、俺も疑ったりして。」
「仕方ないよ。誰でもそう思っちゃうよ。それでね、考えたんだ。」
僕は目をぎゅっと瞑る。
「見なきゃいいんじゃないかって。」
「なるほどな・・・」
そう言って柊が近づいてくるのがわかる。
残り数センチかな。
唇が震える。
もう付いちゃう。
「や、やっぱり・・・だ・・・////」
「だーめ。綾斗。我慢。目瞑ってるでしょ?」
そう言って抵抗しようとした腕を捕まれ、僕は目を瞑ったまま柊とキスをした。
やっと出来た。
好きな人とのキス。
「綾斗・・・目開けて?」
「うっ・・・////」
「まだ慣れない?」
「うん・・・ごめん////」
早く慣れないと。