第7章 ゆっくりと・・・
「久しぶりだね!」
「うん。話があるんだけど・・・」
「どうしたの?」
ホテルのベッドに座ると賢二さんも隣に座ってきた。
スーツ姿ってことはさっきまで仕事だったのかな。
「僕、ずっと好きだった人がいて・・・その人と付き合うことになったんだ。だから、その、賢二さんとは付き合えない。ごめん。」
賢二さんは、そっか、と一言だけ呟き理解してくれた。
正直、怒ると思ってた。
でも応援してくれた。
頑張れって。
「じゃあ、こんな所に俺と居ちゃまずいんじゃない?」
「うん・・・そうなんだけど・・・相談があって・・・」
僕は柊とのことを話した。
何故かキスを拒否してしまう、本当はしたい。
「うーん・・・それは俺にも分からないな・・・」
「・・・ごめん、そうだよね。」
「でも、俺とする時は全然拒否しないよね?それは今でも変わらないんでしょ?」
「わかんない・・・久しぶりに会ったんだし。」
そうだ・・・賢二さんとならできるのかな?
拒否せずに。
そんな疑問が脳内を走った。
すると、賢二さんは僕にキスを迫ってきた。
近い。
もう当たる・・・
寸止めで賢二が微笑みかけた。
「どう?」
「・・・平気だ。」
そのまま僕は賢二さんにキスをした。
やっぱりなんともない。
「綾斗くん・・・流石にそれは・・・俺も我慢できなくなるよ。」
「・・・これは試し・・・同じなのか。」
「・・・俺が襲ったらどうするの?」
「いいよ・・・試してみよう。」
これは浮気なんかじゃない。
柊とのことを考えての行動だ。
「綾斗くんって・・・悪い子だね。」
「今更すぎない?」
僕は黙って賢二さんに抱かれた。