第7章 ゆっくりと・・・
「あ、ごめん・・・そんなつもりじゃ・・・」
「ねぇ、綾斗・・・本当に俺のこと好き?」
「好きに決まってる!」
「・・・そっか・・・ごめん、ちょっと不安になった。」
そうだよね・・・
こんなに拒否されたら疑っちゃう・・・
僕だって同じ事されたらそう思うだろうし。
「柊・・・もう少し待っててくれない?・・・ちょっと頭の中整理させたいから。」
「うん、俺も急かさないようにする。」
どうしてなんだろう。
僕の体が勝手に動く。
反射的に手が動く。
その後は2人で他愛もない話をして時間を過ごした。
意外にも気まずい雰囲気は無くて、今まで通りだった。
携帯を弄ってるとふと賢二さんの名前が目に入った。
最近連絡とってなかったな。
柊と付き合うことになったし、縁を切らないといけない。
告白も断らないと・・・
どっちにしろ会わないといけないよね。
柊には申し訳ないけど、これは浮気じゃない・・・
『今日会える?』
試しにメッセージを送ってみる。
すると直ぐにメッセージが返ってきた。
『久しぶり、いいよ。じゃあいつもの所に。』
いつもの所・・・
ホテルか・・・
さすがにそれは駄目だよね。
でも誰にも見られたくないし。
『分かった。』
「綾斗!今日帰りさ・・・」
「あ・・・柊、ごめん。今日ちょっと用事があって一緒に帰れないんだ。」
「用事?こっちで?」
「ううん、途中で降りる。」
「じゃあ、途中まで一緒に帰ろ。」
「・・・うん。」
途中までなら大丈夫。
柊には見られたくない。