第7章 ゆっくりと・・・
あぁぁぁ!
やっちゃったよ・・・
僕のバカァ!!
・・・でもどうしてあんな事しちゃったんだろう・・・
したかったのに。
『綾斗、さっきはごめん。少し焦りすぎたかも。』
柊が謝る事ないのに。
僕が悪いんだ。
『僕が悪いんだ。ごめんね。頬っぺた大丈夫?』
『結構腫れてるかも。』
『本当にごめん。』
『冗談。今は大丈夫。』
普通にメッセージを返してくれる。
怒ってない。
よかった。
明日もう1回ちゃんと謝ろう。
さっきは反射的に手が動いて柊を叩いてた。
普通は嫌だから手が出る。
でも嫌じゃなかったんだ。
すごくドキドキして、もっと近づきたいって思ってたのに。
もう一度チャンスがあったら次こそは逃げないで受け止めよう。
『記念日、もうすぐだね。』
デートか・・・
楽しみだな。
どこに行くんだろ。
柊の事だからきっと色々考えてるはずだ。
また、お洒落しなくちゃ。
「綾斗!おはよ!」
「おはよ・・・昨日はごめんね・・・って傷あるじゃん・・・」
「あー、うん。ちょっと爪が引っかかったみたいだな。でも大丈夫だ。」
「そんな・・・」
柊の顔に傷付けちゃった。
残らないといいけど。
凄くショックだ。
「彼氏の顔に傷つけるなんて・・・僕最低だ。」
「そんな事ねぇよ。俺も悪い部分はあったし。それより、帰りは大丈夫だったか?変な奴とか居なかった?」
「うん、大丈夫だよ。」
「それなら良かった。」
自分の傷の心配しなよ・・・
折角の綺麗な顔が台無しだ。
「今日はちゃんと家まで送っていくからな。」
「ありがと・・・」
柊・・・もっと僕に文句言っていいのに・・・