第7章 ゆっくりと・・・
いつもの電車に乗り、最寄り駅で降りた。
そしていつもなら柊が家まで送ってくれる。
「綾斗、ウチくる?」
「え・・・////」
「嫌ならいいけど・・・もう少し一緒にいたいなーって・・・それに今日親帰ってくるの遅いし。」
この誘いってそういう事だよね・・・
遂に僕も柊と・・・
「嫌じゃ・・・ないよ・・・////」
「よかった。」
柊の家までの道はずっとドキドキが止まらなかった。
だってそういうことをするかもしれないって考えたら覚悟しないといけない訳だし・・・
もう処女じゃないけど、好きな人とするのとはまた違うはず。
「あがって。」
「お邪魔します・・・」
久しぶりに来たけどやっぱ部屋中から柊の匂いがする。
「先に部屋に行ってて、飲み物取ってくる。」
「ありがとう。」
身体のキスマークも完全に消えたし、大丈夫。
あとはいつも通りに。
っていつも通りじゃ駄目じゃん!
慣れてるってバレちゃう!!
あぁ・・・僕って本当最低なやつ。
「お待たせー・・・どうしたの?」
頭を抱えて横になっていると柊が入ってきた。
「ううん・・・何でもない。」
飲み物をテーブルに置き、僕の横に柊が座る。
近い。
また鼓動が早くなる。
「綾斗、今中だし、2人っきりだから・・・いい?」
「うぅ・・・そういうのは・・・わざわざ聞かなくてもいいんじゃない・・・?////」
「・・・そっか・・・じゃあ・・・////」
柊が僕の頬を撫でる。
手が物凄く熱い。
こんな感覚初めて。
キスするのに抵抗なんてないのに、こんなにもドキドキしてる。
「綾斗・・・////」
「うぅ・・・////」
覚悟を決めろっ・・・
好きな人とキスできるんだぞ・・・
唇が触れそうな距離に来た時、僕は柊の頬を思いっきり叩いていた。
部屋にはパーンといい音が響く。
「えっ・・・」
「っ!?!?」
なにやってんの・・・
勝手に手が・・・
「あや・・・」
「ご、ごめん!僕やっぱ帰るね!////」
その場から逃げ出してしまった。
どうして・・・
あんなことしちゃったんだろ・・・
物凄く嬉しいはずなのに。
その証拠に心臓はバクバク言ってる。
なのにどうして・・・