第6章 夢の中
「あーやと!一緒にご飯食べようぜー。」
「う、うん。・・・柊は?」
「・・・お前ら何か気まずそうだから別がいいかなって・・・アイツらが代わりに一緒に食べるってよ。」
柊の周りにはいつものメンバーが。
それならいいか。
「ありがとう。」
僕達は食堂に向かった。
今日はいつもより空いている。
隅の方の席に座り、弁当を広げる。
「で?何があったわけ?」
仁が僕に尋ねてきた。
でも正直に答えれるはずない。
柊に告白されたなんて。
「・・・ちょっと喧嘩しただけ。」
「本当か?喧嘩っぽくはないけど・・・はぁ・・・柊に告白でもされた?」
「え!?どうして・・・」
「やっぱりな。」
どうして知ってるの・・・
柊が話したのかな?
「俺さ、あいつがお前のこと好きだって知ってた。というか、クリスマスの日に告白するって言ってたし。」
「そうだったんだ・・・」
「で?振ったの?」
仁になら・・・言っても大丈夫かな・・・
「ううん。僕も好きだったから振ってはないんだ。けど、付き合えないって断った。」
「は?どうしてだ?」
「・・・それは言えない。」
「・・・なるほどね・・・それで今に至るわけ?」
「うん。それに、告白は無かったことにしようって言った。」
「はぁ?!もう何考えてんだよ・・・ちゃんと付き合えない理由言わねぇとずっとこのままなんじゃねぇの?」
「わかってる・・・分かってるけど・・・」
兄さんの事は言えない・・・
そんな事したら柊や仁まで巻き添えに・・・