第1章 出会い
今日も同じ時間に起きて、同じ電車を待つ。
彼を見る為に時間は絶対にずらさない。
イヤホンをして向かい側に立つのを待つ。
まだかな・・・
「まもなく、1番のりばに──」
・・・あれ?
来ない。
こんなの初めてだ。
絶対にこの時間に来るのに。
「・・・体調、崩したのかな?」
心配だ。
というか、朝からの癒しが・・・
頑張れる気がしない。
今日体育って言ってたし・・・
小テストもあるし・・・
下手したら補習になるかもだし・・・
せめて彼に会えたらな。
少しは気持ちが上がるのに。
仕方がない。
僕は諦めて、来た電車に乗り込む。
耳元で鳴る音楽がいつもより切なく感じる。
・・・今日1日乗り越えたら明日は休みだ。
少し気分転換しよ。
「おはよ。」
「おはようございます。」
学校に着いた。
今からまたつまらない授業か。
体育は見学しようかな。
小テストだって勉強してないからきっと合格点行かない。
せめて勉強できたらな。
定期テストの結果は毎回危ない。
ギリギリ合格する。
そのうち痛い目に会いそうだ。