第5章 幸せな時間
「ここは?」
カフェみたいな所。
窓からはこのショッピングモールが見渡せる。
「ここのパンケーキ、めちゃくちゃ美味いらしいから。それに今日クリスマスだろ?ケーキ食べたいじゃん!」
「た、確かに・・・」
さっき入口で見た写真、凄く美味しそうなパンケーキだった。
それに、僕は甘党だからああいうのには目が無い。
「いらっしゃいませ。ご注文はお決まりですか?」
「あ、えっとこのパンケーキ2つ。それから、飲み物はカフェラテ2つ。」
「かしこまりました。失礼します。」
柊がさっさと注文を済ませていた。
僕がカフェラテ好きなの知ってたのかな?
「よく知ってるね、こういう店。」
「クラスの女子が話してたのおぼえてたから。この後もう1箇所行きたい所あるけど・・・いい?」
「いいよ。」
2人で話しているとパンケーキが2つとカフェラテがテーブルの上に並べられた。
キラキラして見える。
僕は思わず写真を撮り、SNSに投稿した。
投稿して間もないのにいいね数が集まってくる。
中には学校の人の名前もあった。
「いただきます。」
ナイフで切り、口の中に入れた瞬間パンケーキのふわふわした生地がホロホロと溶けた。
今までに無いくらい美味しい。
カフェラテがすごくあう。
「おいしい・・・」
カシャ
「ん?」
顔を上げると柊が写真を撮っていた。
「へぇ!?消してよ!////」
「やだ。だって思い出欲しいじゃん。それに綾斗可愛いから。」
「可愛くなんか・・・////」
ピコン
携帯に通知が来た。
『柊 真織さんが投稿しました。』
開くと僕の写真だった。
『頬張る小動物みたい』
それにもいいね数がどんどん増えてる。
『可愛い』
『リスみたい』
「コメント凄い・・・てか消してってば!////」
「こんなにハート貰ってるのにもったいない。綾斗が可愛いって証拠じゃん。」
「う・・・///」
なんでそんな簡単に可愛いって言えるわけ・・・
息するように言う・・・
また兄さんに見られてないか心配。