第5章 幸せな時間
「じゃ、撮るぞー!」
「やだぁ・・・(泣)」
僕は女装させられ写真を撮られていた。
罰ゲームだ。
ゲームにボロ負けしてしまった。
それに加え、SNSにそれをアップするらしい。
「最悪だ。」
「似合ってるよ!(笑)」
「嬉しくない!!」
皆は僕にそう声をかけてくれる。
柊なんてずっとお腹抱えて笑ってる。
好きな人に見られるなんて死にたい。
「綾斗!もっと女子っぽくポーズしろよ!」
「なんで僕が・・・」
ブツブツ文句を言いながらもポーズを取ってみる。
流石にこれでノリに乗らないと面白くないだろうし。
「よし、もうアップしといた!」
「はや!」
「見せてくれ!」
皆携帯を中心に顔を覗かせる。
「おっ!凄い反応いいじゃん!」
そんなに?
て言うかそれだけの人に見られてるってことじゃん・・・
学校行きにくい。
「なぁ綾斗!」
柊が皆を置いて僕の所に来た。
「ツーショットいいか?」
「え?」
つ、ツーショット!?
柊と!?
それは大歓迎だけど・・・この格好じゃ・・・
「誰にも見せねぇから。」
「でもなんで?」
「一緒に撮りたいから。友達だろ?」
「うん・・・そうだね。いいよ。」
友達だ。
そうだよ、普通じゃん。
「じゃあ撮るぞー。」
「へ、待って・・・っ!////」
肩を抱き寄せられシャッターを切られる。
絶対顔変になってる・・・
不意打ちすぎるよ。
「お!いい感じ!」
「ほんと?」
「ほら。」
見せてもらった写真は驚くほど綺麗に撮れていた。
あんなに急に撮られたのに・・・
でもこうやって見ると、
「カップルみたいだな、俺ら。」
「へ!?////」
「いや、ほら・・・見えねぇか?まぁ、こんな可愛い彼女居ねぇんだけどな・・・」
「大袈裟だよ!////」
驚いた。
僕の思ってる事声に出てるかと思った。
全く同じことを思ってしまった。
「ねぇ、それ送っといて////」
「あぁ。もちろんだよ。」
柊とのツーショット。
凄くいい感じに撮れてる。
僕が女の子だったらこんな事も夢じゃなかったのかな。
「お前らなになってんだ?」
「見せろよ!(笑)」
「やだ。これは俺のだから。」
約束通り見せないでいてくれている。
どこまで良い奴なの、柊。
僕は柊から送られてきた写真を見て思わずニヤついてしまった。