第5章 幸せな時間
結局、式には出れず僕がトイレから戻ってきた時にはクラスメイト達が教室にゾロゾロと入っていた。
「綾斗大丈夫かな?トイレ行ったっきり見てねぇよな?」
「朝から顔色悪かったしなー。」
柊達が歩いてくるのが見え、思わず曲がり角に隠れてしまった。
顔合わせずらいな。
教室の反対方向から担任が歩いてくるのが見え、僕は先生の元へ走った。
「先生、体調が悪いので保健室に行ってきます。」
「大丈夫か?式も出てなかったよな?」
「はい、大丈夫です。」
僕は先生に告げ、保健室に向かった。
保健室にはまだ誰もいなかった。
式が終わったばかりだからだろう。
僕は先生の事が待てず、ベッドに横たわった。
保健室を使うのは初めてだ。