第5章 幸せな時間
今日は終業式。
教室には明日から始まる冬休みの事で盛り上がっている生徒。
勿論、仁達も盛り上がっている。
「いよいよ明日からか!」
「明後日のパーティ忘れんなよ。」
「分かってるって。」
僕は昨日の夜に家に帰り着き、限界を迎えていた身体の疲れを取る為早めに休んだ。
正直、朝から体調が優れない。
腹痛が酷く身体もだるい。
首元には昨日兄さんに締められた手の痕があった。
母さんと父さんには僕がマフラーをしていたから見えなくてバレなかった。
「綾斗、その首・・・」
「なんでもないよ。すぐに治るから。」
柊が早速声をかけた。
やっぱりよく見てる。
「そうか・・・」
「ごめん、ちょっとトイレ。」
「あぁ。」
僕は教室を出ると走ってトイレに駆け込んだ。
「うっ・・・痛い・・・」
あんなに中で出されると思わなかったからかなり辛い。
これじゃ式に出られないかもしれない。