第4章 僕の従兄弟
今日は土曜日。
兄さんとの約束の日だ。
正直、怖くて心臓が破裂しそうだ。
でも、2日だけ我慢したら皆と遊べる。
柊ともデートできる。
「綾斗と出かけてくるね。泊まり掛けで。」
「わかったわ。気をつけてね。」
母さんにそう伝えてるのが聞こえた。
泊まり?
・・・旅行?
「綾ちゃんもこれ以上怪我しちゃダメよ。」
「うん。兄さんがいるから大丈夫だよ。」
母さんにはまだバレていない。
兄さんに一日分の下着と服を用意しとけと言われていた。
「兄さん。どこに行くの?」
「黙って着いてきて。そのうち分かるから。」
「う、うん。」
少し機嫌が悪い。
恐怖心がどんどん募る。
「ね、ねぇ、兄さん・・・どうしてこんな暗い所に・・・」
街に出ると路地裏に入って行った。
奥は暗くよく見えない。
兄さんは僕の言葉を無視して歩みを止めない。
『黙って着いてきて。』
僕はその言葉通りただ後ろを歩いた。
僕の記憶はここまでだった。
それ以降の事は覚えてない。
次に目が覚めた時は知らない部屋でベッドに繋がれていた。
「うっ・・・何が・・・?」
記憶を辿るが途中で意識を失った所まで覚えていた。
その原因は記憶にない。
「起きた?」
「兄さん?ここどこ?なんで僕繋がれて・・・」
「・・・ラブホだよ。」
「え・・・どうして・・・」
兄さんは部屋の薄暗い奥から近づいてくる。
その後ろには見覚えのない男の人達もいた。
「え・・・誰・・・」
「まだ分からない?よく考えてみなよ。」
「ほんとにいいのかよ?」
後ろにいる男の人が兄さんに話かけている。
「いいよ。めちゃくちゃにしちゃって。けど、初めは俺ね。」
「に、兄さん?なに・・・」
逃げようと藻掻くが動けない。
ここはラブホで、僕は繋がれている。
そしてこの男の人たち・・・
僕は・・・この人達に・・・
「犯される・・・?」
震えた声で上に四つん這いで乗っかってきた兄さんに答えた。
「ピンポーン♪」
「どうして・・・」
「どうして?そんなの・・・綾斗が他の知らない男と寝たからでしょ?お仕置きだよ。」
「ご、ごめんなさ・・・許して・・・」
「何今更・・・ほら、足広げて?」
「やだ・・・」
僕は兄さんに両頬を片手でつままれる。
「いいのかな?クリスマス・・・デート出来なくても・・・」