第4章 僕の従兄弟
家に帰ると母さんはご飯の準備を終えていた。
兄さんも食卓についていた。
僕も着替えて直ぐにご飯を食べ、お風呂に入った。
そして今に至る。
兄さんにはすぐにバレた。
「かはっ・・・」
腹を蹴られ、壁に当たる。
背中も腹も痛い。
僕の体はボロボロだった。
母さんも今はお風呂に入っている。
「綾斗・・・処女じゃなかったんだ。騙してたんだ。」
「はぁ・・・はぁ・・・騙すつもりは・・・」
「言い訳しても無駄だよ。初めては俺が貰ってあげるって言ったのにね。」
「ごめんなさい・・・」
顔には新しい痣が出来ていた。
折角治ってきていたのに。
「はぁ、もういいよ。どんなにこんな事したって怒りは収まらないし。」
「・・・兄さん・・・ごめんなさい・・・」
兄さんは部屋を出ていった。
僕は全身が痛くて動けなかった。
明日学校どうしよう。
けど行かないと、母さんが心配する。
僕の意識はそのまま薄れていった。
「おはよう。」
「おはようございます。」
学校にはいつも通り登校した。
顔には治療の痕が増えている。
柊はそれを見て驚いていた。
「綾斗・・・お前・・・」
「何でもないから。ただ、ベッドから落ちて机の角で頭ぶつけただけ。」
「綾斗っ!待て!」
「なに?また虐待とか言うの?ほんとそんなんじゃないから。ほっといて。」
柊の横を通り抜け、席に着いた。
これ以上失敗は出来ない。
次は確実に殺される。
自分でも分かっていた。
兄さんは手加減がない。
「綾斗。病院に行こう。流石にその傷は・・・」
「そうだよ。綾斗、皆も心配してる。」
仁も心配して声をかけてきた。
「・・・いいよ。すぐ治るから。それに僕が悪いから。自業自得だよ。」
柊が何かを言いかけたのを仁が横から止めた。
「わかった。これ以上はもう何も聞かない。けど、綾斗。俺達はお前の味方だからな。何かあったらすぐに頼れよ。」
「うん・・・ありがとう、仁。」
あれ・・・何これ・・・目の前が歪んでる。
僕泣いてる?
どうして今更。
こんなの慣れてるはずだろ・・・