第4章 僕の従兄弟
「さむ・・・」
目が覚めた時は兄さんは既に居らず、僕は裸のままだった。
暖房も着けずに眠ってしまったんだ。
顔を洗いに行こうと部屋を出た。
兄さんはキッチンで夜ご飯を作っていた。
「綾斗。もうすぐご飯出来るよ。」
「・・・うん。顔洗って着替えてくる。」
「待ってるね。」
鏡の前に立つと自分の酷い顔に驚いた。
こんな事になってるなんて思わなかった。
「・・・痛い・・・」
顔を洗い、残った血を落とす。
それでも傷はかなり残る。
明日は学校が休みでよかった。
けど、母さん達にはなんて言おう。
「綾斗?」
「っ!兄さんっ・・・」
「何してるの?待ってるよ。」
「うん・・・」
兄さんがガーゼとテープを持って僕の頬に貼る。
「綾斗、上手くやるんだよ?」
「うん・・・大丈夫。」
恐怖で声が震えた。
母さん達には言えない。
誰にも・・・
「よし!じゃあ食べようか!」