第4章 僕の従兄弟
殴られ続けてどのくらい経っただろう。
もう口の中が鉄の味でいっぱいだった。
「あーあ、綾斗の可愛い顔が台無しだ。嘘なんか付くから。」
「ごめ・・・なさ・・・」
「クリスマスデートねぇ・・・綾斗の好きな人なの?」
「・・・うん・・・」
嘘付いたら次こそ殺されそう。
こんなのもう耐えられない。
「付き合ってるの?」
「そんなんじゃない・・・ただ僕が好きなだけ・・・」
「だろうね。きっと綾斗遊ばれてるだけだよ。けど、俺は違うよ?ちゃんと綾斗の事愛してるから。」
分かってる、そんなの。
柊が無自覚にそういう行動取ってることくらい。
けど、誘ってくれたんだ。
ちょっとくらい期待しても・・・気分上がってもいいじゃん。
「綾斗は俺だけの物だよ。」
兄さんが僕の両手を押さえ付け、キスを求めてくる。
「い、いや・・・だ・・・」
「嫌?どういう事?俺は綾斗のお兄さんだよ?血は繋がってなくても兄弟。断っていいと思う?」
「それは・・・でも・・・」
制服を無理やり脱がされ肌が露わになる。
「うっ////」
「綾斗に嫌って言う権利はないよ。」
「もう許して・・・」
「まだ、誰にも手は付けられてないよね?」
「っ!////」
「・・・ね?綾斗・・・」
怖い。
殺される・・・
兄さんにはまだ賢二さんとの事は言ってない。
まだ、僕の事を処女だと思っている。
「うん・・・」
「よかった・・・綾斗の初めては俺が貰ってあげるからね。もう少し待ってて。それまでは別の快楽をあげるから。」
「うぐっ!?」
馬乗り状態になって首を絞められる。
苦しい。
死にそう。
意識が遠のいていく。
「かはっ!」
「あやと・・・可愛いよ・・・傷だらけの綾斗はもっと可愛いよ。興奮する。」
「にいっさ・・・ぐっ!」
僕は兄さんの狂った声と表情が脳裏に焼き付いたまま、眠ってしまった。