第3章 デート?
慌ててカバンを手に取り椅子に座る。
あれ、逆に座ってると変?
自分の行動に呆れて顔が熱くなる。
「綾斗ー帰ろー。」
「あ、うん!もう終わったんだね。」
「・・・うん。」
柊と2人で駅まで歩く。
その間は珍しく沈黙だった。
いつもなら柊が話しかけてくる。
ヴーヴー
ポケットの中で携帯が震えた。
メールかな。
携帯を取り出し、確認する。
賢二さんからだ。
『25日空いてるかな?良かったら一緒に出かけない?』
25日?
「ねぇ、柊。パーティーしようって言われてるの確か24日だったよね?まだ行くか分かんないけど。」
「そうだけど・・・どうしてだ?」
「え・・・いや・・・別に・・・(汗)」
『いいよ』
文字を打って返信しようとした時。
「あのさ!」
制服の裾をクイッと軽く引っ張られた。
「な、なに?////」
「今日言おうとしてた事なんだけど・・・」
今日?
何かあったっけ?
てか何その裾クイってしてるの!
めっちゃ可愛いんですけどぉ!?
「その・・・25日さ・・・一緒に過ごさない?////」
顔を真っ赤にしていつものイメージとは違った様子。
囁くような声で聞いてきた。
「無理だったらいいから・・・////」
その姿が可愛すぎて僕もつい。
「いいよ・・・////」
と答えてしまった。
「え・・・ほんと?よっし!」
「けど・・・僕でいいの?好きな人いるんじゃ?」
「・・・いいよ。綾斗だし。」
僕だから?
別に僕だったら一緒に過ごしてもいいってことかな?
て事は本命には断られた感じなのかな?
「そっか・・・」
帰り着くまでの間、柊はずっと嬉しそうだった。
さっきまで無言だったのとはまた違う。