第1章 出会い
「おはよー。」
「おはよう。」
学校に着くと生徒が挨拶をし合う。
「おはようございます。」
校門に立つ先生に挨拶を返し足早に教室に向かう。
教室には既に多くの生徒がいる。
騒がしい中、自分の席に着き音楽を聴きながら机に突っ伏す。
つまんないな。
友達と言える人はいないし。
正直学校に来ている意味も分からない。
ただ、授業料を払う親の姿を見ると休まずにはいられない。
ヴー
携帯が机の上で鳴る。
メールだ。
『綾斗くん。今日、会える?』
・・・。
『うん。いつもの場所ね。』
前回会ったのは一週間前かな。
「ホームルーム始めますよ。」
担任が教室に入ってくる。
イヤホンを外し、携帯をポケットにしまう。
まだ、今朝見た彼の顔が脳裏に浮かぶ。