第3章 デート?
「できた!」
ケーキが完成して、班の皆が驚く。
思ったより上手く出来たかも・・・
初めてにしては中々の出来栄えだ。
「へー!矢野君凄い!作れるんだ!」
「いや、初めて作ったよ。」
「まじかよ・・・女子より上手いって・・・」
仁が横目に女子が作ったケーキを見て笑う。
「何よ?こういうのは味が大事なの!見た目はちょっとあれだけど・・・」
仁が口元にケーキを押し付けられるのを見ていると奥に柊が見えた。
周りには頬を赤らめた女子が集まっている。
・・・いいな。
「いいから食べなさいよ!」
「うわっ!やめろ!綾斗助けてくれー!」
「へ?」
「いいわよ、もう。矢野君に食べてもらうから。」
目標が僕に変わり、目の前にケーキが近づく。
「え・・・僕!?別にいいけど・・・」
口を開け、ケーキが中に入ってくるのを待っていると・・・
パクッ
と誰かが横取りをした。
「おっ、美味しいっ!」
柊だった。
「ひ、柊くん!?////」
自然とアーンをしてしまった女子は顔を真っ赤に染めている。
ズキッ
胸にナイフで刺されたような痛みが走る。
嫉妬だ・・・
付き合ってもないのに。
やっぱり柊は誰にでもこんなことしちゃうんだ。
別に好き嫌い関係ない。
「綾斗も出来てんじゃん!一口頂戴!」
「・・・いいけど・・・味は保証しないよ。」
「いいよ!あーん!」
柊が口を開けて待っている。
「え!?////」
「なに?」
「な、何でもない!////」
こんな事で反応していると逆に変だ。
平常心平常心。
僕は柊の口にケーキを一口運んだ。
「ど、どう?」
「・・・美味い・・・」
「・・・そんなお世辞言わなくていいよ・・・初心者だし。」
「いや、まじで美味い!綾斗凄いな!!」
「そ、そうかな?・・・ありがとう。」
よかった・・・
これで不味かったら引かれてた・・・