第3章 デート?
「今日は二学期最後の家庭科実習なのでケーキ作って貰います!」
ケーキか。
デザートなんて珍しい。
先生曰く、クリスマスが近いからだとか。
今年のクリスマスも1人で過ごすのか、先生のテンションはいつもより高い気がする。
実習は基本いくつかのグループに分かれて取り組む。
男子3人女子3人のグループだ。
今回は柊が転入してきて初めての実習になるから1つのグループだけ男子が多い。
僕は柊とは別のグループだ。
「綾斗!頑張ろうな!」
「うん。」
僕は仁と坂口と同じだ。
坂口も最近一緒にいる中の1人。
「ね、ねぇ仁?アンタ最近さ矢野君と仲いいね。」
グループの女子の1人が話しかけた。
「なんだよ急に。」
「いや、私達ずっと気になってたんだけどさ。急に仲良くなったから矢野君をいじめてるんじゃないかな?って。」
「はぁ!?そんな事ねぇよ!?なぁ!綾斗!」
「え、うん!」
僕は全力で頷いて否定した。
「だったらいいんだけど・・・」
「俺らそんな奴に見えるの?」
坂口が口を開く。
「・・・見えない。」
「だったら疑うなよな。」
「うん・・・矢野君!何かされたら私達にいっていいからね!」
「え・・・えっと・・・うん・・・?」
初めて話しかけられた。
前までは少し避けられてたのに。
「よし!じゃあ取り掛かろ!男子は迷惑かけないでよね。」
「俺ら邪魔者かよ。」