第15章 2人の未来
綾斗side
「両親はいいのか?」
「わかんないけど・・・でも真織と会う回数が減るのは嫌だ。」
信じてはいるけど・・・
僕がいない所で他の子と一緒にいるのは嫌だし、真織モテるから絶対狙う子多いと思う。
そんなの不安でしかない。
折角一緒になれたのに。
「俺は嬉しいよ。でも、ちゃんと家族と話し合わないと。先生にも言わないとだろ?」
「うん・・・」
受験まであと1年もない。
今の僕の成績じゃ大学行けるかも分からない。
早く取り掛からないとセンター試験まで間に合わない。
手に力が入っているのを真織が気づき、僕を抱きしめてくれた。
「俺、正直、綾斗はこっちに残るって言うかと思った。だから嬉しい。一緒に頑張ろう。」
「・・・うん。母さん達説得する時に、真織との事も話そうかなって思ってるんだけど・・・」
「そうだな。俺も一緒に話すよ。落ち着いたらまた話し合おう。ただでさえお兄さんの事で精一杯なのにごめんな、こんな話。」
「ううん、寧ろ感謝してる。話してくれてありがとう。」
1週間後、兄さんを説得することになった。
初めは母さんと父さんがしてくれる予定だったけど、僕がしないといけない気がして代わってもらった。
真織と仁は危険だと止めたけど、これは兄さんと僕でケリをつけないと。
勿論、兄さんのもう1人の人格が出てしまうかもしれない。
その時は外で母さん達が待ってるからすぐ連絡を入れることになってる。
「綾斗、本当に大丈夫か?」
「真織、心配しないで。もう慣れてるから。」
「そうじゃなくて・・・また綾斗が傷つくのが怖い。」
「・・・兄さんはもうあんな事しないって約束してくれたから・・・信じたい。」
兄さんは今僕の部屋にいる。