第15章 2人の未来
綾斗side
「進路調査明日までに提出なー。」
忘れてた。
まだ決めていないな。
・・・真織とも話したい。
同じ大学行きたいし・・・
「ねぇ、真織。卒業したらどうするの?」
「あー・・・その事だけど、今日時間作れるか?」
「うん。いいけど?」
一体なんだろうか。
少し深刻そうな顔だ。
放課後、真織の家に行き、ゆっくり話すことになった。
真織のお母さんが飲み物を出してくれた。
「真織、今から父さんの所に行くんだけど・・・戸締りお願いね。」
「うん、気をつけてね。」
父さんの所?
別に暮らしてるのだろうか?
聞いてもいいのかな?
「ねぇ、もしかして別に暮らしてるの?」
「その事も含めて今から話そうと思って。・・・俺、卒業したら父さんの地元の大学に通おうと思ってる。ここからは遠いし、3月末には引っ越す。」
「え・・・それじゃあ・・・僕達・・・」
「実は父さん、病気でさ・・・」
その後、真織は全部話してくれた。
父さんがどんな状況なのか。
それに、どうして転入したのかも話してくれた。
「ちょっと待って・・・じゃあ真織は・・・僕と会う前から・・・」
「好きだったよ。一目惚れだった。」
僕と同じだったんだ。
知らなかった・・・
それで初日からあんなに話しかけてくれたんだ。
「・・・僕もだよ。真織と同じで会う前から知ってた。一目惚れしたんだ。」
「え・・・なんで早く行ってくれなかったんだ!?」
「そんなの言えるわけないし!それに、それはこっちのセリフ!////」
「・・・なーんだ。じゃあ初めから俺ら両想いだったんだな。」
「うん・・・みたいだね。・・・僕達、遠距離になっちゃうの?」
「・・・そうなる。」
そんなの嫌だ・・・
多分僕は耐えられない。
だったら。
「僕も同じ大学行く。一人暮らしする。」
「え・・・」