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【R18】初恋を君に

第2章 柊真織という男


教室に戻ってきた時にはまだ先生はいなかった。
ほっと皆で肩をなでおろし安心する。

「あっぶねー。」

「うわ、体操着どうしよ。」

「別に服装に関してはアイツ緩いからいいんじゃね?」

仁がタオルで頭を拭きながら授業の準備をする。

「アイツ時間に厳しいからな。俺この前たった何秒か遅れただけで点引かれた。」

「まじかよ。」

数学の先生は今年入って来た新任。
内容は分かりやすいけど、テストが難しい。

「綾斗、次の授業の先生って厳しいの?」

「そこまで無いよ。時間きっちり守れば。」

体操着で授業受けるのは初めてだ。
こんなに汗かいたのも初めて。
寒くなってきて汗かくなんて思ってもなかったからタオル持ってきてないな。

「綾斗、これ使って。」

「え、けどこれ・・・」

柊が僕にタオルを渡す。

「綺麗なやつだから!」

柊が焦って言葉を付け加えた。

「いや、そうじゃなくて!柊は?」

「俺もう1枚持ってきてるから。」

「・・・じゃあ遠慮なく。」

柊の家の匂いだ。
いい匂い。
柔軟剤どこの使ってるんだろう。

「洗って返すね。」

「いいよ、そんなちょっとくらい。」

「だ、ダメ!汚いから!////」

「そんな事ねぇよ。綾斗は汚くない。」

「な・・・意味わかんないし・・・と、とにかく洗って返す////」

「・・・わかったよ。ありがとう。」

柊から貸して貰ったタオルを肩にかけて授業を受ける。
終始柊の家のいい匂いで集中出来なかった。
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