第14章 本音と嘘
綾斗side
僕はリハビリを続けながら、両親と真織に真実を話した。
予想していた通り、両親は驚いて初めは信じるのに時間がかかった。
母さんも僕に気づいてあげられなくてごめんね、と何度も謝った。
真織に話した時はやっぱりな、という反応で理解はしてくれたが初めは怒られた。
恋人である真織に黙ってたこと、嘘をついたこと。
けど、真織以外の人と行為をした事は怒らなかった。
僕は悪くないと言ってくれた。
僕は無事に退院する事ができ、これからの事を両親と話すため、真織と仁にも時間を作ってもらった。
兄さんにはバレないように学校の近くで待ち合わせをして、カフェで話し合った。
「僕、兄さんはもしかしたら二重人格なのかもしれないって思うんだ。あくまで僕が思うだけだよ。でも、兄さんが変わってしまう前と後では全然違う人に感じるんだ。」
「二重人格・・・それってストレスとか関係してくるんですかね?」
真織が両親に話しかける。
「そこはお医者さんに聞いてみないと分からないけど・・・あの子、本当の親を無くして直ぐに引き取られたりしてるから、精神的な治療が出来てなかったのが原因かも。実際に私たちが引き取ったのもあの子が孤児院に入ってから1ヶ月も無かったから。」
「確かにそうだったな。一応資料も確認してみたが、3週間で引き取ってるみたいだ。」
だから、精神のコントロールが出来なくなってるとか?
それって治療すれば治るってことかな?
だったら・・・
「ねぇ、兄さんと離れなくて済む方法・・・考えたんだけど・・・」
「「っ!?」」
仁と真織が驚いて立ち上がった。
「お前・・・あんな事されといてまだ一緒に居たいって思うのかよ!」
「俺は反対だ!お前がこれ以上傷付けられるのは見たくない!」
「でも!兄さんはこれ以上傷付けないって約束してくれた!それに、僕も兄さんと離れたい訳じゃないんだ。」
その言葉を聞いて2人は気が抜けて席に着いた。