第14章 本音と嘘
真織side
やっぱり今日も居ないか。
連絡も繋がらない。
諦めて家に帰ろうとした時、綾斗の兄さんが帰ってきた。
「っ!綾斗はどこですか・・・」
「・・・病院だよ・・・もう帰ってくれないかな?」
「病院?どうしてそんな所に・・・」
「これ以上、君と綾斗は会わせられない。」
「はぁ?・・・俺は綾斗の彼氏です・・・会う権利あると思うのですが!?」
この人は綾斗に近づいて欲しくないだけだ。
自分のモノだと思っているから。
あの時の綾斗は間違いなく怯えていた。
「彼氏・・・じゃあ会ってきなよ。そう思ってるのは君だけだと思うけどね。」
「どういう意味ですか?・・・」
「行けばわかる。」
そう言って家の中に入っていった。
出てくるまで待っておこう。
きっとこれから荷物を持って病院へ向かうはずだ。
綾斗が病院にいるなんて。
・・・またこの人のせいで怪我をしたんじゃ・・・
「あぁ、言い忘れていたけど・・・綾斗が入院している原因は自殺だから。」
「自殺・・・綾斗が?嘘つかないでください!」
「嘘じゃないよ。」
だって俺には何も話してくれなかった・・・
連絡もくれなかった。
どうせまたこの人が綾斗に何かしたんだ。
早く楽にしてやらねぇと。