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【R18】初恋を君に

第14章 本音と嘘


「一体どこに行ったんだ?」

もう1週間も綾斗の姿を見ていない。
連絡も勿論繋がらないまま。

「流石におかしいよな。」

「綾斗先輩・・・次も試合見に来てくれるって約束したのに。」

もう一度家に行ってみよう。
次は1人で。
3人だと逆に警戒されたのかもしれない。

「真織、きっと綾斗は大丈夫だ。そんなくらい顔すんな。」

「うん。」


その日の終礼、何故か俺らのクラスだけアンケートを配られた。
『いじめに関するアンケート』
いじめ・・・?
内容はこのクラスでいじめを受けていた子はいるか。
いじめていたのはだれか。
など、まるでこのクラスにいじめがあっていたかのようなものだった。
綾斗の事じゃないよな?
そもそも俺らの学年でいじめなんてない。
山本さんが嫌がらせを受けていたが、それも綾斗や仁が止めていくうちに消えていった。

俺はその用紙に堂々と『いいえ』に丸をつけた。


「「はぁ?!いじめ?!」」

バスケ部の活動の見学をしに来たついでに、仁達と少し話していた。
2人とも汗を垂れ流しながら怒りの声を上げた。

「綾斗先輩がいじめなんて受けるはずないじゃないですか!そもそも受けていたら俺がボコボコに・・・もごっ」

「声がでけぇよ、松村。」

仁が周りに聞こえないように松村君の口を塞ぐ。

「まだ、綾斗の事とは決まってないけど、おそらくそうだろうな。」

「どうするんだ?真織。」

「・・・まずは綾斗に会えねぇ事には・・・なにも。」

「・・・俺らも協力出来たらいいんだけど・・・ごめん、試合近くて・・・」

「いや、いいよ。逆にごめんな。」

仁が松村君の腕を引いて練習に戻って行った。
俺は2人に手を振り、綾斗の家に行こうと駅へ向かった。
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