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【R18】初恋を君に

第14章 本音と嘘


真織side

綾斗とは連絡が着かなくなった。
何度も電話をしたが出ない。
メッセージも返ってこない。

朝、駅で待っていたが来なかった。
学校も欠席。

「真織。綾斗風邪か?」

「分からない。連絡がつかないんだ。」

「俺もです!いつもならすぐ返してくれるのに・・・」

仁と松村君も心配していた。
嫌な予感が頭を過る。
今まで綾斗は何度も傷つけられてきたんだ。
もしかしたら・・・もう・・・

いや、よそう。
変なことを考えたくない。
現実になりそうだ。

「仁、俺が転入してくる前も綾斗は怪我をしてくる事多かったのか?」

駅でも何度か見かけたことはあった。

「あぁ。多かったよ・・・皆虐待を疑うくらいに。けど、綾斗が傷を付けて学校に来るのは時期が決まっていたんだよ。必ず、長期休暇の前にボロボロになってくる。」

「・・・やっぱりそうか。今日、綾斗の家に行ってみる。」

「俺も行く。部活は休む。」

「俺も行きます!1日くらい休んでも平気ですよ!」

2人とも付いてきてくれることになった。
何人かで行くのは心強い。
流石に電車片道代位は出しておこう。

放課後、2人と一緒に電車に乗り、綾斗の家に向かった。
人気がない。
インターホンを押すが誰も出てこない。
出かけているのだろうか。

「風邪なら綾斗先輩家にいるはずですよね?」

「そうだな・・・待ってみるか?」

「・・・うん、待ってみる。」

誰かが帰ってくるのを家の前で待っている間、2人に綾斗の兄の事について話した。
話していいかは分からなかったが、今はそんなこと言ってられない。

「綾斗先輩にお兄さんが・・・それに酷い・・・」

「まだ確実じゃない。実際に本人から聞いたわけでも、見た訳でもない。俺の予想だ。」

「けどまぁ・・・ほぼ確だろうな。」

綾斗が無事な事を祈りたい。

「貴方達・・・家の前で何してるの?」

「綾斗のお母さん!えっと、お久しぶりです・・・その、綾斗いますか?」

「・・・今日は帰って。綾斗は今家にいないの。ごめんね。」

「家にいないって・・・どこにいるんですか?」

「言えないの。とりあえず今日は家に帰って。」

いない?
よく見たらお兄さんの姿も見えない。

「真織、今日は帰ろう。」

仁が手を引き、俺に帰るよう促した。
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