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【R18】初恋を君に

第12章 孤独


このまま真織とずっと一緒にいたい。
高校卒業しても、死ぬまで。
それってあまりにも強欲過ぎるだろうか。
僕には勿体ないのだろうか。
そう思ってるのは僕だけだろうか。
真織は特にそう思ってないのかもしれない。
それでも・・・
それでも僕は・・・
ずっと真織の腕に抱かれたい。
真織だけがいい。

そんな事をつい考えてしまう。
眠っている真織の手を握り、確かな温もりを感じる。




1週間が経ち、真織と手を繋ぎデートをしている。
前まで恥ずかしかった事も当たり前のようにできるようになってきた。

「ねぇ、真織。次はあっちに・・・いっ!」

曲がり角で誰かとぶつかってしまった。
真織が慌てて手を引いてくれた。

「大丈夫か?」

「う、うん。すみませんっ!よそ見して・・・て・・・っ!」

目の前に立っていたのは兄さんだった。
もう帰ってきてたの?
僕は急いで真織と手を離す。

「やぁ、綾斗。偶然だね。・・・君は確か・・・」

「あ、綾斗のお兄さんでしたよね。お久しぶりです。」

「うん、久しぶり。・・・ふーん・・・」

さっきの見られてた。
だって・・・目が・・・

「君・・・綾斗がどんな奴か知ってるの?」

「?どう言う意味ですか?」

「へー・・・他の男と寝るような奴と・・・君は付き合えるの?」

兄さんっ・・・
やめて・・・

真織の顔も引き攣ってる・・・

「そんな証拠も無いこと言われても信じませんよ。綾斗はそんな子じゃないです。」

「・・・可哀想だね。君。」

そう言ってこれまでの写真を真織に見せる。
全部僕が犯されているものだ。

「これ・・・」

写真を持つ真織の手が震えている。
もう無理だ。
終わった。

「帰ろう、綾斗。」

兄さんに手を引かれる。
そんな僕を反対の手を掴み真織が止める。

「・・・こんなの・・・関係ない・・・綾斗、行こう。」

もう真織には見られてしまった。
これ以上一緒に居れない。

「ごめん、真織。」

僕は真織の手を引き剥がし、兄さんに付いて行った。
真織には見られたくなかった。
知られたくなかった。
僕には最後の真織の顔が見れなかった。
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