• テキストサイズ

【R18】初恋を君に

第2章 柊真織という男


やばい、どうしよ。
今更だけど、この人の名前わかんない。

お昼ご飯を食べながら雑談をする。

「お前ら知り合いだったのか?」

「いや?俺から声掛けただけ。」

「へー。本当に尊敬するわ。」

全然会話に入れない。
名前もわかんないのに、何を話せばいいの?

「なんで尊敬するんだ?」

「逆に転校してきて不安とかなかったのかよ?」

「あったよ。けど・・・綾斗見て不安無くなったんだよな。不思議と。」

「なんだよそれ。」

「仲良くなりたいって思ったんだ。」

なにそれ・・・
恥ずかしくなって顔が赤くなる。

「・・・なるほどな。わかるかも。」

「え?どういう・・・」

思わず聞いてしまった。

「うーん・・・矢野ってさ、何考えてるのかわかんないんだよな。常にクールな感じだろ?実際どんなやつなのかなって。」

「ぼ、僕・・・そんな感じなの?」

「うん。・・・ぷはは。お前口に付けすぎ。」

「え!?////」

慌てて口を拭う。

「取れたよ。・・・矢野ってさ・・・綾斗ってさ、意外とおっちょこちょいなんだな。」

「そ、そんな事ない!////」

てか呼び捨て!?
いきなり過ぎない!?
これが普通なの?

「・・・綾斗はクールって言うよりは可愛いよ。」

「ひ、柊?!////」

また可愛いって・・・

「可愛い・・・確かにそうかもな。」

2人して・・・
顔がさらに熱くなる。
それを隠すために慌てて弁当を食べ終える。

「ぷくく・・・リスかよ。」

「!?////」

リス・・・

「中西ー。」

中西?
この人の名前?
違うクラスメイトがバスケットボールを持って話しかけてきた。

「今日も賭けようぜ!」

「またかよ。・・・お前らも来るか?」

中西君が僕と柊に声をかける。
周りは驚いている。

「綾斗が行くなら。」

「ひ、1人で行きなよ・・・」

「・・・よーし!2人とも強制参加なー。」

中西君が手を引っ張る。

「え、待って・・・中西く・・・」

「仁でいいよ。」

「え?」

「友達だろ?」

友・・・達・・・
僕とは縁が無い言葉だった。
友達なんて要らない。
そう思ってたのに・・・

「・・・うんっ・・・」

少し照れくさかった。
/ 215ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp