第2章 柊真織という男
「おはよー。」
「おはよ!柊!」
僕達が教室に入ると、既に友達が出来たのか柊と挨拶を交わす人が何人かいた。
僕はその横をスルーして自分の机に向かう。
「置いてくなよ。綾斗。」
「柊、お前矢野と来たの?」
「そうだけど。」
「まじか。すげぇな、お前。」
全部聞こえてますけど。
確かに僕はあまり人と関わりたくないほうだけど。
「なぁ、少し気になってたんだけどよ。」
柊がクラスメイトを連れて廊下に出る。
何話してんだろ。
流石に聞こえない。
しばらくすると、柊とそのクラスメイトが戻ってきて僕の前に立った。
「何?」
「その、矢野さ、お昼俺も一緒にいいか?」
「いいけど。」
「まじ?!よっし!」
え?
嬉しがってる?
あ、わかった。
柊と食べたいんだ。
なんだか、柊も隣で嬉しそう。