第12章 孤独
「ここかな・・・」
大きな体育館でバスケットボールの音が響いている。
隣の高校と試合をするらしい。
他校の学校に来るのは初めてで少し緊張する。
「あの、名前なんて言うんですか?」
「連絡先教えてください。」
早速真織は女子に囲まれてます。
「ごめんなさい、俺付き合ってる人いて。」
そう言って何度も断っている。
それが分かると次は僕の方に駆け寄ってくる。
お願いだからこっちには来ないで。
「あの!連絡先交換しませんか?」
「え、遠慮します・・・」
どうして僕まで?
何とか体育館の中に入り、会場に入れた。
既にアップを始めている。
「何か緊張感あるね。」
「そうだな・・・あ!あれ・・・」
真織が指差す方向に背番号を付けた松村くんが居た。
アップに参加してる。
レギュラー入り出来たんだ!
よかった。
「座る?」
「うん、そうだね。」
ベンチに座り、アップの様子を見る。
あと5分もしたら始まるのか。
これで予選のメンバーが決まる。
「よく見たら、松村君の周り3年ばっかだな。」
「え、そうなの?」
「何人か2年が居るけど、1年は松村君だけだ。」
1年で1人だけ・・・
本当は凄いんだ。
ただ、部活に行ってなかったから分からなかっただけで。
ピー!
試合開始の音が鳴る。
先にボールを持ったのは仁。
物凄いスピードで攻めていく。
その先を松村君が走り、パスを受け取りあっという間にシュート。
早速点が入る。
「はや!仁、絶対普段手抜いてたよね?!」
「た、確かに・・・あれは適わねぇな。」
松村君と仁がハイタッチを交し、すぐに守りに入る。
2人とも楽しそう。
このままの勢いで勝って欲しいな。