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【R18】初恋を君に

第12章 孤独


それから、松村君は部活に出るようになった。
仁も心無しか嬉しそうだった。
案の定、仁にビシバシ扱かれたそうだけど。
それでも最近は2人の距離が縮まった気がした。

「仁せんぱーい!早くしてください!」

「はやっ!?もうホームルーム終わったのかよ!」

「あー抜けてきました。」

「お前なぁ!」

廊下でよく話してるのも見かけるようになった。
部活前に早く来て練習してるらしい。
ゲームでも松村君はかなりの活躍ぶりで、レギュラー入りも叶わないこともないって仁からも聞いた。

「仁先輩は進路決めてるんですか?」

「あぁ、県外の大学に行こうかなって思ってる。」

「じゃあ、一人暮らしですか?・・・会えなくなります?」

「そうだな・・・あまりこっちには戻ってこないかもな。・・・寂しいのか?」

仁がニヤニヤしながら松村君の顔を覗く。

「寂しいですよ。」

予想もしてなかった言葉にその場に居た全員が黙り込む。
皆、てっきりまた「気持ち悪いです」って言って返すかと思っていたから。

「たまに会いに来てくださいよ。試合も見に来てください。」

「お、おぉ・・・わかった・・・」

「絶対全国行きましょう。そして、少しでも長く先輩とバスケがしたいです。」

「そうだな。」

松村君、本当に仲良くなったな。
今までは仁の事全く興味がなさそうだったのに。

「松村君、仁の事好きなのかな?」

隣にいた真織が耳元でコソコソと聞いてきた。
確かに少し耳が赤いような。
でもあれはただの先輩と後輩って感じがする。
それか、松村君本人は気づいていないのかもしれない。

「・・・どうかな。仮にそうだったとしても、そっとしておこう。今は忙しいと思うから。」

もし、2人が付き合ったって言ってきても違和感はない。
よく見たらお似合いだ。
言いたい事言い合うし。
ただ、仁が相手じゃ大変そうだな。
結構自分の事には鈍感そうだし。
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