第2章 柊真織という男
いつもの時間に駅に向かい、電車を待つ。
寒くなってきたな。
そろそろコート用意しないと。
「だーれだ!」
「ひゃっ!?////」
急に後ろから目を隠される。
手が冷たい。
それに大きい。
この声・・・もしかして・・・
「えーと・・・柊?」
「正解!おはよ!」
「お、おはよ////」
わぁ・・・いつも見ていた姿だ・・・
僕喋ってる・・・
柊は赤いヘッドホンを外し首にかける。
その姿も凄くかっこよくて・・・
「どうした?顔真っ赤・・・熱でもあるのか?!」
「へっ!?そ、そう!?おかしいな・・・あはは(汗)」
「無理すんなよ?」
心配してくれてる。
やっぱ優しい。
「大丈夫。何ともないよ。」
「ならいいけど・・・ぷっはは、寝癖付いてる(笑)」
「う、嘘!どこに?////」
「ここ。」
そう言って僕の後頭部を撫でる。
その時の柊の顔はどこか寂しそうな笑顔だった。
その表情にキュンとする。
「待ってて、確かワックス・・・あった。」
少量を手に取り寝癖の部分に付けてくれる。
「直ったよ。」
「あ、ありがとう////」
柊近いよ・・・
「綾斗ってさ、驚き方可愛いよな(笑)」
「か、可愛い!?////」
「うん、さっきも『ひゃっ』って(笑)」
「そ、それは急に驚かすから・・・////」
「ごめんごめん。もうしないよ。」
柊って誰彼構わず近い。
女子とか勘違いしちゃうんじゃ?
「綾斗?遅れるよ?」
「う、うん!」