第11章 約束したから
「では、明日最終日。頑張りましょう。ありがとうございました。」
委員会会議は10分程度で終わり、各々自分の部屋へと戻る。
僕はあかりさんと2人で廊下を歩き、人気の少ないロッジへと出た。
こんな所に来て何の話だろうか。
「綾斗くん、お疲れ様。」
「あかりさんも。明日で最終日だね。」
「うん。あっという間だね。・・・ふぅ・・・」
あかりさんが大きく息を吐き、僕の方を振り向いた。
「綾斗くん。ずっと好きでした。付き合って下さい////」
「えっ・・・好きって・・・」
あかりさんは顔を真っ赤にして、瞳をウルウルとさせている。
手にも力が入っているのがわかる。
勇気を振り絞って言ってくれたのだろう。
「でもどうして・・・僕?」
「綾斗くんは覚えてないと思うけど、1年生の時の委員会一緒だったの。」
「うん、言ってたね。」
「初めは綾斗君のこと、他の男の子と同じ様に感じてたんだ。でも違った。」
何かしたっけ?
覚えてない。
「私、その日は体調悪くて高熱出してて立てるのもやっとだったんだ。でも、委員会の仕事が終わってなくて放課後1人で残ってて。そんな時に綾斗くんが声をかけてくれたんだ。『大丈夫?』って。初めは驚いたよ。急に私の事手伝ってくれるし、終いには私だけ帰らせて次の日来たら仕事は全部終わってた。その後も綾斗くんは見返りを求めること無くて・・・気がついたら綾斗君のこと気になってて。ずっと追いかけてる内に自分の感情に気づいたんだ。」
僕、そんな事したっけ?
言われればあったような。
あれ、あかりさんだったのか?
「あの時、綾斗くんが声掛けてくれてすごく安心したんだ。誰も居なかったから。・・・それがきっかけかな。」
ずっと僕の事を見てくれてたんだ。
一途だな。
でも・・・
「改めて言うね、綾斗くんが好きです。付き合って下さい。」
約束したから。
「気持ちは嬉しいけど、ごめん。」
「・・・そっか。わかった。わざわざごめんね!」
「ううん、僕こそ・・・1人で帰れる?もう遅いから寝ないと。」
「うん、平気だよ。・・・また今まで通りよろしくね。」
「うん。」
まさか告白されるなんて思ってもなかった。
でも、真織と約束したから・・・
一緒にいるって。