第11章 約束したから
「綾斗くん、全員揃ってる?」
「うん、大丈夫みたい。」
真織は既に抜け出してるけど。
既に外は暗くなってるからきっと分からない。
あかりさんが先生に人数確認の知らせに行き、僕も抜け出すタイミングを探していた。
いよいよ2日目最後のイベントだ。
なるべく声をかけられないように抜けないと。
・・・そう言えば真織は声かけられなかったのかな?
「綾斗くん!」
って言ってる傍から声をかけられた。
なんて言って切り抜けよう。
「もうペア決まってたりする?」
「えーと・・・ごめん、僕体調悪いから先に部屋で休もうかなって。」
「え、そうなの?大丈夫?一緒に行こうか?」
「ううん、大丈夫。他の子誘ってみて。」
理由を作り、その場から離れた。
真織に連絡を入れ、待ち合わせ場所に向かう。
晴れてよかった。
星が良く見えそうだ。
「ごめん、お待たせ。」
「上手くいった?」
「うん、体調悪いって言ってきた。早く行こ?」
真織が僕の手を引いてくれて、ホテルの裏山を歩いて登って行く。
道は意外にも歩きやすくなっていた。
「着いた!ほら、ここ!」
「うわっ・・・凄い!」
周りには灯り1つないため、星の光が余計に輝いていた。
予想を遥かに超えて綺麗だった。
「綺麗・・・」
「7月だと天の川見れたかもな。」
「確かに、ここだったら綺麗に見えるかもね。でも、充分だよ。」
「そうだな。綾斗が喜んでくれてよかった。」
僕達は芝生に腰を下ろし、星空の写真を撮った。
「この学校に転入してきて良かった。今凄く幸せだ。」
「僕だって真織がこの学校に来てくれて良かったって思うよ。だって・・・ずっと・・・っ!やっぱなんでもない////」
前から真織の事知ってたって言ったら引かれるかも。
「気になるんだけど。まぁ、いいよ。今こうやって一緒にいるから。」
「へへ・・・」
危ない危ない。
これは一生言わないでおこう。