第11章 約束したから
真織はもう寝たのだろうか。
部屋も真っ暗で静かだ。
僕は中々寝付けずに天井を見つめていた。
「ん・・・綾斗。起きてる?」
「うん。真織も起きてたんだ。」
「寝れなくて。・・・そっち行ってもいい?」
「・・・しないからね。」
真織は「分かってる」と呟き、僕のベッドに入ってきた。
背中が暖かい。
真織の心臓のドクドクという鼓動が聞こえてくる。
「真織、明日のダンスって誰かに誘われたりした?」
聞きたくなかったけど、気になってつい聞いてしまった。
「うん、でも断った。」
「どうするの?」
「・・・抜け出さない?近くに星空が綺麗に見えるところがあるらしい。」
「っ!行きたい!」
「じゃあ、決定。」
もしかして調べてたのかな?
・・・嬉しい。
ちゃんと考えててくれたんだ。
「綾斗は?誘われた?」
「うん、あかりさんにね。」
「やっぱり。」
「分かってたの?」
「そんな気がしてただけ。明日はバレないようにしような。」
「うん、おやすみ。」
ダンスどうしようか悩んでたけど、断ってよかった。
そうだ!写真も撮ろう!
二人の写真も今の所まだ撮ってないし。
僕は真織の方に振り返り、胸元に抱きついた。