第11章 約束したから
「また、負けた?」
真織がトランプを1枚持っている。
ババだ。
「真織弱いな。じゃあ、3問目!」
既に2問の質問を受けている真織の顔は少し疲れている。
今まで聞かれた質問は「性癖」「抜いた動画」。
絶対に答えたくない。
「恋人の好きなところ5つ!」
「へ・・・?」
そう質問された真織は目が点になっている。
仁もくすくすと肩を震わせている。
これ、僕も恥ずかしいやつ。
巻き込み罰ゲームじゃん。
「えっと・・・////」
答えるの?
手をパーに広げ指を1本折る。
「可愛い所・・・ツンデレな所・・・顔がすぐに赤くなる所・・・料理が上手い所・・・」
「ほぉ、お前の彼女そんな人なのか?」
「いいね、で?最後は?」
恥ずかしいからそれ以上はやめて。
そろそろ顔が熱くなってきた。
「・・・キスが上手い所・・・」
「まじかよ!なんだそれ!(笑)」
「真織の彼女はエロいと見た。」
き、きす?
上手い?
僕が?
「他にもあるけど・・・5つな。」
「幸せ者め!」
他にも・・・?
心臓がバクバクと鼓動を速める。
仁もニヤニヤしちゃってるし!
「も、もう就寝時間!皆戻ろ!」
これ以上は耐えられなくなり、みんなを部屋から追い出した。
点呼もそろそろ始まる。
「恥ずかしかった?」
扉の前で真織が後ろから抱きついてきた。
絶対馬鹿にしてる。
こっちは頭パンクしそうなのに。
キスが上手いなんて・・・
みんなの前で・・・
自分の唇に触れて余計に熱くなる。
「っ・・・」
真織の方を振り向き、勢いでキスをした。
舌を入れる。
いつもは真織からしてくる。
「ばーか////」
「なにそれ、可愛い。」
「もう寝るっ////」
嬉しそうに笑う真織を通り過ぎベッドに倒れ込んだ。