第2章 柊真織という男
「ただいまー」
「おかえりなさーい、って何かあったの?」
母さんが玄関先を覗いて心配したのか近づいてきた。
「え?!いや何も・・・////」
「ふーん・・・あっもしかして、好きな人でも出来た?」
「うっ!違うよ!?へ、部屋に行くから!////」
「うふふ。はいはい。」
そんなに顔に出てた!?
気になって顔を触る。
熱い。
この状態で母さんに会ったの?
てか・・・この顔で柊と顔を合わせてた?
・・・恥ずかしすぎる・・・
制服のままベッドにうつ伏せに倒れる。
濃い1日だったな・・・
『可愛いから』
うっ・・・////
どういう意味なんだろ・・・
あれは反則だよ。
そんなこと言われたら・・・僕・・・
・・・もしかして・・・柊も僕のこと・・・
いやいや・・・ないない。
絶対ない。
「辛い・・・」
ボソリと呟く。
顔を思い出す度に胸が苦しくなる。
これが恋なんだ・・・
やっぱり僕好きなんだ。
すぐ手に届くところにいるのにかなり遠い。
これがずっと?
そんなの辛すぎる。
優しくされると余計に苦しくなる。
でも・・・
「・・・大好き・・・////」
その気持ちは一生変わらないと思う。