第11章 約束したから
「ふーん、昨日そんなことがね・・・」
「仁のクラスの子たちっぽかったけど・・・名前までは聞いてないな。」
昼休みに仁に昨日あったことを話す。
「山本さんってあの可愛い子か。・・・俺も気にかけとくよ。」
「ありがとう。」
「なーんかさ・・・綾斗って山本さんに優しいよね。」
真織が黙々とご飯を食べながら嫌味を言う。
松村くんも面白くなさそうな顔をしている。
話を変えよう。
「そう言えば、お前ら部屋の班どうなったんだ?」
「あー、僕達は同じ部屋だよ。」
ホテルは2人1部屋で、それぞれ班の中で分かれて決めた。
流石に恋人同士で同じ部屋は良くないかなって思ったけど、逆に違う人と同じ部屋になるとお互い嫉妬のしあいになりそうだ。
「お前ら・・・変な事すんなよ・・・」
「しないよ!?学校の行事だし・・・////」
「どーだか。」
「変なことって・・・まさかその首の絆創膏っ!」
松村君が勘づいて、驚いた顔をしている。
後輩の前でこんな話したくない・・・
「綾斗先輩・・・そんな・・・嘘ですよね?まだ処女ですよね!?」
「声でかいっ!////」
周りから変な目で見られてるし。
というか、高校生で付き合ってるんだから当たり前じゃないの?
「松村、残念だったな。俺が貰ったよ。」
肩を組まれ、少し嬉しそうに真織が言う。
今更、随分前に卒業してますなんて言えない。
絶対落ち込む。
「ん?どうした?綾斗・・・」
「ううん!!何も無いよ!」
「うぅ・・・綾斗先輩が・・・もうそんなこと・・・じゃあ、俺は2人目になります!いいですよね!?」
「そんなこと許されるわけねぇだろ、アホ。」
仁が隣の松村くんにゲンコツを放つ。
松村くん、まだ僕のこと好きなんだ・・・
一途だな。
「ずるい・・・俺も修学旅行行きたいです・・・写真送ってくださいね!あ!ツーショットとかまじいらないんで。なんなら、綾斗先輩の寝顔送ってください、部長。」
「それは俺が柊に殺されるからやめてくれ。」
「ぷっはは・・・うん、ちゃんと写真送るから。」