第11章 約束したから
いつもは真織達と一緒に食べる昼ご飯は今日はあかりさんと一緒だ。
真織に伝えた時は子供みたいにいじけてグズっていたけど、委員会の仕事だからと許してくれた。
昼休みのうちに修学旅行の班決めをしようとなっていた。
僕達が2人で居るのがそんなに珍しいのか、教室中から視線を感じる。
「ここは仲良いからくっつけてもいいんじゃないかな?」
「そうだね・・・よく一緒にいるの見るし・・・」
「それで、ここの班と・・・」
あかりさんは仕事が早い。
クラスの事が頭にしっかり入っている。
けど、自分の班の事は全く手をつけてない。
「ねぇ、あかりさんは何処の班に入るの?」
「あー・・・私は誰とでもいいから・・・気にしないで!」
笑顔でそうは言ってるけど、よく考えたら1人でいることが多いような・・・
いや、たまに誰かといるか。
「よかったらさ、僕達の班に来ない?ちょうど余ってるし。」
「え、いいの?」
「うん、気にしないよ。むしろ、僕もまだこのクラスに慣れてないから。」
「・・・ありがとう。そうしようかな。」
問題は真織だけど。
・・・そこは何とか納得してもらおう。
「よう!綾斗!」
「あ、仁!もう食べ終わったの?」
仁が肩を組んできた。
後ろには真織も居る。
「どこかの誰かさんが、お前が居なくてつまんなそーだから。あと、松村も。」
また来てたんだ。
「班は決まりそ?」
「うん、とりあえずは決まったかな。仁のクラスはどんな感じ?」
「あー俺らは適当に自分たちで決めた。」
学級委員は決めなかったんだ。
確かに自由に決めていいっても言ってたけど。
「じゃあ、俺は戻るな。頑張れよ。」
「ありがとう。」
「あ、あと、首・・・隠れてねぇぞ。」
ボソッと耳元で囁かれる。
「うぇ!?嘘!?////」
仁は首元をトントンっと指さし、教室に戻って行った。
絆創膏で隠せてるつもりだったのに。
「そう言えば、綾斗くん、首どうしたの?」
「え、あ・・・いやぁ・・・朝起きたら蚊に刺されてて・・・」
「もうそんな時期なんだ。結構酷いね。」
「うん・・・ビックリだよね。」
早く帰りたい・・・