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【R18】初恋を君に

第2章 柊真織という男


やっと1日が終わった・・・。
普段より何倍も長く感じた。

「さようならー。」

挨拶をして帰宅する生徒もいれば、部活に走って向かう生徒もいる。
僕はもちろん前者。
早く帰ってこの緊張を今すぐ解きたい。

柊の所為で僕は死にそうだった。
近いし、無駄に声がいいし。
それから優しい。

荷物を持って教室を出る。

「あ、綾斗!待てよ!」

「なに?」

「一緒に帰ろうぜ!」

「・・・え、やだよ。」

早く1人にさせてくれ。

「けどよ、俺達同じ駅だろ?」

「は!?なんで知って・・・じゃなくて・・・そうなの?」

危ない。
僕も知ってるってバレるところだった。

「そうなの!だからいいだろ?」

「・・・返事聞く前に既に付いて来てるじゃん////」

「確かに(笑)」

あーもう!
僕何言ってんの・・・
断ればいいのに・・・

「綾斗はさ、兄弟とかいるの?」

「・・・いるよ。」

「へー!兄貴?」

「そんな感じ。」

「いいなー。俺も兄弟欲しかったー。」

「柊は・・・」

「真緒でいいよ。」

「柊は1人なんだ?」

「スルーした?・・・そう1人。寂しくてさ(笑)」

駅に着くまで電車の中でも柊は話が途絶えなかった。
内容も面白い。
話上手だと思う。

「着いたなー。綾斗はどっちなの?」

「僕は裏の改札から出る。じゃあね。」

「おう!気をつけろよ!」

「大丈夫だよ、僕男だし。」

「男だからって関係ねぇよ。綾斗は可愛いから。じゃあ明日な!」

「うん。また・・・え////」

かわっ・・・?!
今可愛いって言った!?
それってどういう意味で・・・

柊と離れたにも関わらず、僕の緊張はその言葉のせいで止まらなかった。
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