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【R18】初恋を君に

第11章 約束したから


「綾斗、今日も委員会?」

「うん、でもすぐ終わるから待ってて。」

「分かった。」

最近は目立つからと下駄箱で待っててくれる。
早く仕事を終わらせて真織と帰ろ。

「綾斗くん、明日から修学旅行の話進めていくらしいよ。」

「そっか、もうすぐ修学旅行か。」

「あっという間だよね。」

倉庫に荷物を運びながら、あかりさんと話す。
修学旅行の班決めも僕達の仕事だ。
卒業アルバム用の写真も考えないといけない。
また忙しくなりそう。
修学旅行が終われば、体育祭と文化祭。

「あ、そうだ。綾斗くん、自由行動する相手とか決まってる?」

「たぶん、真織と仁達と回ると思う。」

「そっか・・・じゃあさ、キャンプのダンス相手とかは?」

僕達は修学旅行のイベントの中にペアダンスがある。
男女ペアで組んで踊るものらしい。
全員強制参加らしいけど、正直乗り気でない。

「ううん。何も考えてない。」

「よかったらさ、私と組まない?」

「え・・・どうして僕・・・」

あかりさんなら色んな人に誘われそうなのに。
僕なんかと組むなんて。
・・・そういえば異性と話すのが苦手だって言ってたな。

「駄目かな?」

「・・・考えとくね。」

「うん。」

困ったな・・・
僕は真織と組みたいけど、男同士だし。

「あ、綾斗。」

「真織。ごめん、遅くなっちゃった。」

僕の荷物を持って昇降口に立っていた。

「じゃあね、綾斗くん。」

「けど戸締まり・・・」

「いいよ!しとくから!」

「ありがとう。また明日ね。」

あかりさんは多分、僕以外の人とはあまり話せないみたいだ。
真織には挨拶を交わさずに頭を下げただけ。

「山本さんって綾斗としか話さないよな。」

「あー・・・うん。なんか男子が苦手らしくて。」

「なのに綾斗とは話せるのな。」

「もー嫉妬しないでよ。」

いじけたのか僕を後ろから抱きしめ、頭を僕の肩に乗せてくる。

「・・・今日家くる?」

「うん・・・////」

真織から唐突に誘われ声が裏返った。
耳元で囁かれるのにはどうしても慣れない。
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