第11章 約束したから
「にしても・・・久しぶりだな!」
「うん、仁も忙しそうだね。」
3人で屋上に座り込み、昼食を取る。
「あ、真織、これお昼。」
「お!ありがとう!手作り?」
「うん、作ってみた。」
今日は弁当を作ってくる約束をしていた為、真織には昼ごはんを持ってこないように伝えておいた。
朝はいつもより早く起きて作ってみたけど、口に合うかな?
「早速イチャイチャ見せつけられてるんですけど・・・こっちは後輩の世話で大変だっていうのに。」
「部長ってそんなに忙しいんだ。」
「いや、1人厄介な奴がいてさ。」
「ふーん。」
確かに1ヶ月前と比べると少しげっそりしてる。
ちゃんと休んでいるのだろうか。
僕は少しでも仁の疲れが取れるようにと持ってきていた手作りのクッキーを取り出した。
元々、3人で分けようと思っていたものだ。
「食べて。疲れ取れるといいけど。」
「ありがとう!やっぱ綾斗っていい嫁になれるよ!」
「いや、男ですけど?」
「けど、将来的には柊の嫁に・・・」
「仁!?////」
話を遮って仁の口を塞ぐ。
「ならねぇの?」
「うっ・・・嫁じゃない・・・」
真織の聞き返してきた言葉に詰まる。
何この会話・・・
恥ずかしすぎる。
「せんぱーい!!」
「ん?」
この声、松村くんだ。
走ってきて僕に抱きついてきた。
「え!このクッキーなんですか!?」
「あー、作ってきたんだ。食べる?」
「いいんですか!?いただきます!」
1枚手に取り、口に運んであげる。
気のせいか、真織が物凄い怒ってる。
・・・あれ、仁も・・・
「美味しい・・・流石、綾斗先輩!」
「松村・・・お前・・・」
「げ!中西先輩・・・」
「ふーんなるほどな。お前、部活よくサボってるのにこういう所には駆けつけるのな。」
もしかして、厄介な後輩って松村くんのことだったの?
・・・そういえばよく放課後僕のところに来てるな。
バスケ部だったんだ。