第10章 特別だから・・・
柊と距離を置かれて1ヶ月近くが経とうとしていた。
明日は歓迎会と言う名のレクレーション。
3学年でチームを作り競い合う。
僕は学級委員ということもあり、仕事をしながらの参加になる。
「綾斗くん。ここの時間なんだけど・・・大丈夫?」
「あ・・・ごめん。」
「綾斗くん最近変だよ。何か悩みでもあるの?話聞くよ?」
あかりさんが心配して資料を置いた。
今教室で2人きりだ。
放課後になり、校内は部活動生の声が響いている。
「大丈夫。心配かけてごめんね。」
「・・・寝れてないんじゃない?顔色悪いよ?」
僕に鏡を向けて見せてくれる。
本当だ。
気づかなかった。
「柊くんと最近一緒に居ないみたいだけど。」
「ちょっと・・・喧嘩しちゃって。」
「2人って喧嘩することあるんだ。少し意外。」
「初めてなんだ。もうすぐ1ヶ月経つし。」
思わず話してしまっている。
何でだろう。
あかりさんの優しい声に癒される。
「よし!ちょっと息抜きしよ!明日の話もこれで終わり!続きは明日の朝でも間に合うし。」
「え、でも・・・」
「綾斗くんが元気無いと、私も元気無くなっちゃう。」
「え・・・」
「甘いの好き?近くのカフェ行かない?私の奢り!」
「うん・・・好きだけど・・・奢りって流石に・・・」
急な誘いに戸惑ってしまう。
あかりさんはそれをお構い無しに僕の手を引き教室を出た。
「あ、あかりさん?(汗)」