第10章 特別だから・・・
教室に戻ると柊の姿が無かった。
仁達とご飯を食べているのだろうか。
僕は委員会会議での資料をまとめようと椅子に座った。
今日の6限目に少しだけ時間を設けてもらった。
アンケート用紙をまとめていると、柊が帰ってきて、僕の後ろに座る。
仲直りしないと。
このままだとズルズルと関係性が崩れていってしまう。
「柊、今日の放課後さ・・・」
「ごめん、用事がある。」
即答だった。
僕と一緒にいたくないのか。
「そっか・・・いつか時間空いてる?」
「わからない。」
僕の方を一切見らずに机に突っ伏している。
もう今まで通り、笑顔で話し合えることはないのだろうか。
「そうだよね・・・ごめんね。」
僕は気まずくなり、資料を持ってあかりさんの元へ向かった。