第10章 特別だから・・・
「あー!なんで僕が学級委員・・・」
「じゃんけん弱すぎ。」
「柊、ごめんね。同じ係になれなかった。」
委員会と係決めが終わり、帰る準備をしていた。
僕はこの後、学級委員の集まりがある。
早速、委員会の仕事だ。
「綾斗、教室で待ってるな。」
「うん、ごめん。」
この後、一緒にお昼ご飯を食べることになっている。
楽しみがあるから苦の委員会の仕事も頑張れる。
「綾斗くん、行こ。」
「あ、うん。」
山本さんを待たせてしまった。
ファイルと筆記用具を持って山本さんの所へ向かう。
隣に並ぶと、余計に山本さんの背の小ささがわかる。
これが「女子」って言うやつか。
見た目から可愛い。
ふわふわしている。
守ってあげたくなるような感じ。
僕もこんな子になりたい。
女の子にはなれないけど、柊の隣にいても恥ずかしくないような。
「綾斗くん?私何か付いてる?////」
「いや、可愛いなって・・・おも・・・って・・・あっごめん!////」
「へ!?か、かわ!?////」
山本さんを困らせてしまった。
顔が真っ赤だ。
「ごめんね!急に変なこと言っちゃって・・・」
「ううん!びっくりしたけど・・・嬉しいよ。」
勘違いさせちゃったよな・・・
「綾斗くんと一緒で良かった。前にも委員会一緒だったからちょっと安心。」
「僕なんて頼りないと思うよ。それだったら柊とかの方が良かったんじゃない?」
「私、実は男の子が少し苦手で・・・でも綾斗くんは大丈夫なんだ。だから良かったなって。」
あ、もしかして男として見られてない?
普通にショックなんだけど。
「綾斗くん、良かったら下の名前で呼んで?同級生なんだし、これからも仕事一緒だし。」
「あ、えーと・・・じゃあ、あかりさん?」
「ふふ。うん、なに?」
はにかんだ笑顔を見せる。
やっぱり可愛い。
僕もこうなりたい。
「・・・これからよろしくね、学級委員として。」
「うん!私こそ!」
相手があかりさんで良かったかも。
他の子だったら会話があまり続かなかったかもしれない。