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【R18】初恋を君に

第9章 影


「綾斗、全部剥がしてきた。・・・なんだよあれ・・・」

「ありがとう。たぶん、ずっと僕をつけてきてるんだ。」

怖い。
全部見られてる。

「今日も泊まろうか?」

「ううん、それは申し訳ないから大丈夫。」

実際に家の中で被害は受けた事ない。
写真が送られてきたり、物が取られたり。
それだけだ。

「教室に戻らないと。」

「立てるか?」

「うん。」

ストレスなのか、頭も痛くなってきた。
考えすぎかな。
これから先もずっと続くのかな?
柊も危ない。
もしかしたら殺されるかもしれない。
あくまで可能性だけど・・・
犯人は柊の顔を塗りつぶしていた。
そんなことするなんて・・・憎んでるとしか考えられない。

あまり、一緒にいない方がいいのかな。
落ち着くまで。

一日中考え事ばかりして、授業にも集中出来なかった。

「ねぇ、柊。」

『少し距離を置かない?』

そう言おうとして止めた。
本当にいいのかな?
逆効果だったら?
犯人がチャンスだと見て僕を襲ってきたら?

でも、柊が襲われるよりは・・・

「どうした?」

「う、ううん!いつもありがとう。じゃあ、また。」

「おう。何かあったらすぐ連絡くれよ。」

「今日は母さん達が居るから大丈夫だよ。」

家に入ると母さんのいつもの「おかえり」という声が聞こえなかった。
おかしいな。
買い物にでも言っているのだろうか。
リビングを一通り見渡して、自室に戻った。
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