• テキストサイズ

【R18】初恋を君に

第9章 影


「おはよー。おふたりさん。」

「おはよう仁。」

珍しく寝癖を付けた仁と下駄箱で挨拶を交わす。
今日は日直だからか、少しだるそうだ。
朝から仕事があるから大変だ。

「じゃあまた後でな。」

「うん、後で。」

先に上履きを履き終えていた仁は職員室へと向かった。
僕達も履き変えようと下駄箱を開ける。

「え・・・」

扉を開けると下駄箱の中いっぱいに写真が貼られていた。
昨日の僕と柊の写真だ。
キスしてるところまで写ってる。
昨日教室で聞いたシャッター音も間違えじゃなかった。
僕の顔はハッキリと写っているが、柊の顔は塗り潰されている。

『ずっとみてるよ』

赤い字で書かれた紙も貼られている。

「うっ!」

慌てて扉を閉める。
気分が悪くなり、口を押えトイレへ駆け込む。
上履きを履かずに靴下のままだ。
床の冷たさが伝わってくる。

「綾斗っ!」

なにあれ・・・
僕、ずっと付けられてる・・・

「大丈夫か?」

トイレで戻ってきたものを全て吐き出し、柊が背中を摩ってくれる。
柊を巻き込んじゃってる。
柊の身になにか起きたら・・・

「ごめん・・・うっ」

「何があったんだ?」

「・・・下駄箱の中に・・・また・・・」

「・・・待ってろ。」

柊が走って下駄箱へ戻って行った。
確認するためだろう。
幸い周りにはまだ生徒が少なかったから良かった。
/ 215ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp