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【R18】初恋を君に

第9章 影


「はぁ、美味しかったぁ。柊ありがとう。」

「喜んでもらえてよかったよ。そろそろ帰ろうか。」

「うん。」

駅まで歩いて向かい、いつもより遅い時間の電車に乗る。
ピーク時間が過ぎたのか、いつもより人が少ない。
おかげで余裕で隣同士座れた。
いつもは立ってることが多い。
もしくは柊が僕に席を譲ってくれる。

「なぁ、綾斗。」

「なに?」

「もうすぐクラス替えだろ?その・・・綾斗はどう思ってるのかなって。」

少し寂しそうに俯いて僕の手を握ってくる。

「正直、不安だよ。それに、同じクラスになれなかったらきっと僕も寂しいと思う。でも、登下校は一緒だし、別に別れるわけでもないから。」

「うん・・・そうだよな。ごめん、急に。」

「ううん、僕も少し気になってたから。話せてすっきりしたよ。」

僕だけじゃなかったんだ。
柊も僕と同じ気持ちだ。
そんなことを話しているとあっという間に最寄り駅に着いた。
そこからはいつも通りに家まで送ってくれる。

「じゃあ、また明日な。」

「うん、また。」

残り1週間。
折角なら楽しみたい。

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