第8章 嫉妬と愛情
「だ、誰かに見られたら・・・////」
「誰もいないよ。」
確かに・・・
こんなに綺麗で有名な所なのに人気が全くない。
時間的な問題だろうか。
「最近、怪我してないみたいだな・・・」
「あ・・・うん・・・柊が家まで送ってくれるからかな?」
「これで諦めてくれるといいんだけどな。いっその事警察にでも突き出すか?」
「え、いや・・・そこまでする必要はないよ・・・」
本当は兄さんです、なんて言えない。
また兄さんが帰ってきたら傷が増えるかもしれない。
そうなると柊にも煩く聞かれるかもしれない。
早めに解決しないといけないのは分かってるんだけど、反抗すればするほど兄さんを怒らせる事になる。
「けど、やっぱ綾斗が心配だ。・・・一緒に住むか?」
「何言ってんの・・・まだ高校生なんだから無理だよ。」
一緒に住みたいけど。
「だよなー・・・綾斗、愛してる。」
僕の頬にキスをする。
外でキスされるのはやっぱ恥ずかしい。
けど、今は誰もいないし。
そう思って僕もキスを返した。
当の本人は物凄く驚いている。
普段、僕からする事がないからだろう。
柊が嬉しくなって顔を埋めて抱きしめ直してきた。
「うぅ・・・俺、正直、綾斗が嫉妬してたって知って凄く嬉しかった////」
「嫉妬するに決まってるじゃん。恋人なんだし。」
「そうだよな・・・俺だけが好きなのかもって不安になってたからかもしれないな。ごめん、誤解してて。」
柊を不安にさせてたなんて。
僕が普段甘えたりしないからかも。
「ううん、僕ももう少し積極的に行かないとダメなんだと思う。」
僕は柊の方を向き直して唇にキスを落とした。
あれ、今僕・・・目開けれてる・・・
「綾斗・・・やっと慣れてくれた?」
「う、ちがっ・・・これは周りが暗くてよく見えないからで////」
「はいはい、そういう事にしとくよ。」
その言葉に僕は少しイラッとして、もう一度キスをした。
その瞬間タイミング悪く灯台が柊の顔を灯した。
「っ////」
「やっぱり目開けれてるじゃん。」
そう意地悪く笑い、深くキスを返してきた。