第8章 嫉妬と愛情
柊とは仲直りをして、学校帰りに約束していたデートに来た。
大量のチョコレートは持って帰れないからと今日と明日に分けて持って帰ることにした。
それでもデートの邪魔になると言って1度家に持ち帰ることにした。
僕はそのまま柊の家に付いて行き、そのままデートに向かった。
どうやら、レストランを予約しているらしい。
教えてもらったレストランをこっそり検索してみたが、学生の僕には高すぎる。
「ねぇ、無理してない?」
「全然。今まで貯めてきてたお金あるから。」
それでも一気にこの値段・・・
あと僕には場違いすぎる。
目の前に次々と出されてくる料理はどれも豪華でよくテレビで見るような少量の料理ばっかりだ。
今日はバレンタイン特別メニューだとか。
最後のデザートまで食べ終え、僕達はレストランを出た。
結局、全部払ってくれた。
そのまま僕は手を引かれ、タクシーに乗った。
行先は夜景が綺麗だと有名な高台。
ここまで全て柊が考えてくれたデート。
辺りは真っ暗だが、唯一光が照らされている灯台に登る。
ここに来るまでずっと柊は手を離さなかった。
その間も僕は心拍数が上がり続け、手に汗を握っていた。
「すごい・・・綺麗。」
こんな所があるなんて知らなかった。
手すりに手をかけ街並みを見下ろす。
そんな僕を柊は後ろからコートごと抱きしめてきた。
今、僕は柊のコートの中だ。
「寒くない?」
耳元でそう優しく囁く。
「うん、暖かい・・・////」
「よかった。」
柊の心臓の鼓動が背中越しに伝わる。
もはや僕のなのかさえも分からなくなっていた。